エイプ50やXR100モタード 集合スイッチでウインカーが点滅しない場合

APE100・XR50モタード

2016年07月14日 更新バイク 整備 XR100

アイドリングでウインカーが点滅しない問題

APE50・100やXR50・100モタードの社外品集合スイッチキットを導入すると、アイドリング付近でウインカーが点滅しなくなる問題があります。

スイッチの変更で前後交互点滅→前後同時点滅式に変わることが原因なのですが、
具体的な商品として、スイッチキットにフラッシャーリレーが同梱されている下記の物です。

・アクティブ ミニ専用スイッチキット◆リレー付
・SP武川 コンビネーションスイッチ◆リレー付
・キタコ ライティングスイッチキット◆リレー付

上の3つのスイッチに換装するとアイドリングでウインカーが点滅しないメカニズムと対策方法を詳しく調べてみました。

尚、デイトナ プッシュキャンセル式集合スイッチ<だけは、リレーの変更がなく前後交互点滅のままですので、この不都合が出ません。これから購入する人へは、トラブルの無いデイトナ製がお勧めです。


目次

原因の前後交互点滅

エイプ50・XR50モタードのスイッチ

写真は、XR100モタード純正の左スイッチを分解したものです。
スイッチの回路には、2段重ねで6本の線があります。

•1空 右ウインカー出力(前用)
•2灰 リレーからの入力(前用)
•3橙 左ウインカー出力(前用)
•4空/白 右ウインカー出力(後用)
•5灰/白 リレーからの入力(後用)
•6橙/白 左ウインカー出力(後用)

回路としては、
右スイッチON 2と1 5と4 がつながる
左スイッチON 2と3 5と6 がつながる

他のバイクのスイッチの場合、これが1段しかなく配線は3本(またはインジケータランプ用に4・5本)です。

エイプ50・100やXR50・100モタードの場合は、前と後ろで交互に点滅する都合上、スイッチの接点が「右前・左前・右後・左後」と4つあります。

上にあげた3社のコンビネーションスイッチの本体部分は、エイプやXRモタの為だけに作られた物ではなく、汎用品を流用していますのでスイッチの接点は「右と左」しかありません。
ですので専用品を作るよりキットにリレーを同梱させることで、通常のバッテリー搭載車と同じような前後同時点滅へ仕様変更(コストダウン)しています。

が、しかし!
もともとバッテリーを積んでいないから、前後交互に点滅させることで同時点灯による電力不足を回避するように設計したバイクです。
リレーを変更したところで電力不足は回避できず、アイドリング付近では、ウインカーがまともに点滅しません。

この事がエイプ100・50やXR100・50モタードの社外品集合スイッチの悪いレビュー(ウインカーが点灯しない等)につながっている所以かも知れませんね。

対策方法

純正フラッシャー

アクティブ・SPタケガワ・KITACOの集合スイッチキットでウインカーを安定して点滅させる為には、いくつかの方法があります。

【対策1】アイドリングを2000rpm位まであげて発電量を増やす
→なんだかなー…と思います。

【対策2】純正は10Wの電球が付いているのでコレを8W電球に変更する
→やってみたところ約1550rpmから点灯しました。
数割暗くなりましたが、電球一個250円程度で買えるので、この対策がベストかも。

APE50ウインカーアイドリング(1600rpm)の動画はこちら

【対策3】スイッチ本体が前後交互点滅にきちんと対応しているデイトナの集合スイッチに買い換える→Amazonで5200円ぐらいでした。

【対策4】LEDウインカーに変更する
→XRモタやエイプのキャブ車の灯火系は、交流(AC)です、交流のままでは市販のLEDウインカーは利用できませんので、LED以外に
・直流化キット
・LEDウインカーリレー
が必要となり、それに市販のLEDウインカーは、12〜14.4Vで点灯するように設計されていて、エイプやXRモタではアイドリング付近で10v以下になることもあり電圧不足による不安定は、免れないです。
ヘッドライトのled化や全波整流をしたい等、違う理由で直流化する目的があれば良いんですけど、ウインカーの為だけにあまりお金をかけたくないですよね 

そんな理由から、私は【2】の8W電球にしてアイドリングを少し上げて快適に乗っています。

そして数年乗って電球が切れたことをキッカケにブログネタにしようと思い交流のまま半LED化計画を進めることにしました。

配線はいじらず交流のまま

【対策5】交流のまま、交流対応のLEDウインカーを自作する・ハイフラ防止としてLED化は、前後2つのウィンカーのうち1つだけ交換(もう片方は電球のまま)

スイッチキットに同梱されていたフラッシャーリレーは、変更しない(なるべくお金をかけない)

以下よりLEDウインカーの製作方法の説明です。読み飛ばしてLED取付け後のレビューや動画を見たい方はこちらからご覧ください

交流対応LEDウインカー製作

BA15s

部品の準備
・電球口金BA15s(ポッチ角が180°の方)
・ブリッジダイオード
・定電流IC(25mA) NSI45025AT1G
・ユニバーサル基板
・LEDは、T4.4(Φ4.4mm)黄色 Vf2.3V If150mA 10-15ルーメンの物を使いました。黄色とオレンジの中間ぐらいの色合いで良さそうなLEDです。

まずは基板をニッパーでカットしてヤスリで整える
ガラスエポキシより紙フェノール基板の方が軟らかくて加工しやすいです。
今回は、高温になる部品もないので手軽な紙製が良かったのですが手持ちがなかったのでガラエポ基板で作りました。
写真は、ウインカー2個(左右)分です。


定電流ICを基板に並列で半田付け
電球のように「じわり」と消灯させたい際には、LEDと並列に電解コンデンサーを付けるとイイです。

NSI45025AT1G使ったICは、NSI45025AT1Gを25mA×5個・片側125mAの予定です。
この定電流ICは、きっちり25mAは出ないものの20mAそこそこ出て安いので重宝してます。
LEDの最大電流が150mAなので125mA程度で点灯させればマージンも取れて安心かな。


電球口金BAU15s電球口金BA15sにアース線を半田付け、口金にペーストと塗っておくと簡単に半田付けできます。
ペーストを使っても口金の温度は、かなり上がりますので耐熱性のあるコードを使うと楽です。
(普通のコードの場合は、サクッと半田付けしないと溶けちゃいます)


T-15ウエッジベースウエッジベースは無くてもイイんですけど、鉄だけ(口金だけ)だとウインカーを着脱する際に、持つ所がなくて手が痛いんですよ^^
T-15ウエッジベースのテーパー部分より下をカットしてかさ上げ用の台を作りました。
接着剤が着きやすいように口金と合わさる部分をヤスリ掛け。


直流化ブリッジダイオードを半田付けしてウィンカー内部で直流化。
ダイオードの後にコンデンサーを入れて電圧を整えるのですが、スペース的に今回は省略。
LEDは3本直列(Vf2.3V×3で合計6.9V)


ウエッジベースウエッジベースで作ったかさ上げ台とLED基板部分を取り付け


LEDかさ上げ台と基板を接着剤で固定。待っている間、暇なので点灯テスト。
思っていた通り、黄色とオレンジの中間の色でした。


口金口金に配線を通して半田付け。
BA15口金には、ポッチの角度が180°の物と150°の物があるのですが、XRモタやエイプのウィンカーバルブは、180°のBA15sです。


バイスバイスで固定して接着剤が乾くの待ちます。
SUPERXは、熱にも強く初期硬化30分程度で固まるので便利です。
ホットボンドだともっと早く固まりますが、耐候性が全然ないのでバイクには向いてないかも。


交流対応LED交流のまま利用できるエイプ&XRモタード用ウインカーLED完成です!

スペック
・交流のままOK!(中に直流化する部品が入っている)
・9Vから点灯する
・電圧に左右されない定電流回路
・明るさ30ルーメン程度(実測115mA)

xr100モタードへLEDを取付

XR100ウインカー動画はこちら
※チラついて見えるのは、カメラの問題です(人間の目にはチラついて見えません)

取付け後の感想は、
「悪くはない・でも手間を考えたら8W電球を買った方が安すくて楽じゃない?」そんな感想です。

8W電球と比較して良い部分もありました

同じ1600rpmでの撮影ですが、上の8W電球の動画と見比べてみるとLEDの場合、電圧降下が少ないのでヘッドライトの減光が少ないです。

この実験は、社外品のスイッチキット(アクティブ)に付属されているフラッシャー(10W×2)をそのまま利用しました。

・前は、LED電球に交換
・後は、10W電球のままま
・エンジン回転数は、1600rpm(規定は1500ですがキャブレター変更をしているので)

10W×2のフラッシャーに対して消費電力が低いので少し遅めのサイクル(毎分70回位)で点滅しますが、回転数を上げたときにハイフラもおきず問題ありません。

XR100ウインカー拡大した動画はこちら

■まとめ

社外品のライティングスイッチキット(リレー付)を取付けてアイドリングでウインカーが点滅しない場合、

・少し暗くなるけど4ヶの電球全てを8W電球に変更してアイドリングを少し上げる
費用:約250円×4ヶで1000円程度

・工作が好きな人は、前後片方だけLED化する
費用:私の場合は、送料を含めて2個の部品代は1500円程度でした。
LED化は、作るの大変だった割には微妙なので8W球へ交換がお勧めかな^^

集合スイッチをこれから購入したい人へは、アイドリングでもウインカーが点滅するデイトナ製がお勧めです。

デイトナ(DAYTONA) プッシュキャンセル式集合スイッチ【エイプ/XR】(Amazonへリンク)

以上、エイプ50・100やXR50・100モタードの社外品集合スイッチとウインカーに関する記事でした。
原付は、構造が単純でいじっていて楽しいですね。

■この記事について
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エイプ50やXR100モタード 集合スイッチでウインカーが点滅しない場合
https://ezhp.jp/diy/1468400874.html

2016年07月13日(2016年07月14日 更新)
バイク 整備 XR100

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