PC20など4-miniキャブレターのセッティングバイブルと失敗例

PC20

2021年05月27日バイク 整備 ダックス・シャリー

セッティング時にバイブルにしているサイト

数年に一度のサイクルで4-miniマイブームが来るのですが、たまになんで全てを忘れてしまっているんですよね。

パーツ互換性やセッティングデータ等はなるべく書き残しているんですが、技術的なことは失念してしまうんですよ。

そんな訳で久しぶりにキャブを弄る際には、カブ&ピース!さんの「オイラ的PC20セッティング方法」を読んでからセッティングに挑んでいます。

PC20以外でも応用できるハウツー情報が満載

カブ&ピース!さん・オイラ的PC20セッティング方法
PC20に限らずPBやPDなどのキャブを扱う際にも参考になります。

「プラグ焼けはキツネ色に」のような説明ページとは異なって、実践的な情報と解決策が分かりやすくまとめられています。

ページの最後に方に

面倒臭がらず色々試すのが一番です(笑)
そうすりゃ自分の中の経験則ってのが出来ますから♪
とありますが、まさにその通りですね。
面倒臭がらず各要素をしっかりと試して、ダメならダメを確認することは、次の機会に活きてきますし、その辺がキャブレター車の醍醐味だったりもします。

山田のように久しぶりにメンテする人や、初めてキャブを弄るライダーさんにもお勧めのサイトです、是非ご覧あれ。

カブ&ピース!さん・オイラ的PC20セッティング方法
http://blog.livedoor.jp/eyepoint/archives/1800092.html

以下からは山田の失敗例です

セッティング方法やコツなどは、カブ&ピースさんの説明で完結していますので^^このページで紹介するのは、山田の失敗例やこれまでに経験した変な要素による不都合を書いてみました。

こんな原因でそんな症状になることもあるんだね〜とネタ程度に読んでいただけると嬉しいす。

このページの目次

PC20 サイドスタンドを掛けるとエンスト

サイドスタンド

アメリカンダックスにPC20を着けた時の出来事です。

症状
走ってきてサイドスタンドを掛けるとエンスト。
サイドスタンド状態でエンジンを始動するとエンストしない。

原因
インマニを交換したことでフロートの高さが純正キャブより高くなり、ガソリン落ちが悪くなっていました。

対策
キャブの高さを低くすることができなかったので、ガソリンホースの取り回しとコックの位置を見直してガソリン経路の高低差を少なくしました。
ガソリンコック

この時に初めて気づいたのですが、アメリカンダックスと他ダックスでは「フレームのガソリンホースやプラグコードを通すサービスホール」の形が違うんですね。
アメリカンダックスは、この部分が狭くなっています。

他ダックスでは、
・この穴から2本のガソリンホース
・フレームのエアクリ取付用の穴にガソリンコック
・キャブに供給
でもガソリンが落ちてくるのですが、

アメリカンダックスの場合「この穴」が狭いのでホースの高低差がきつくなってしまいます。
高低差を少なくする為に、ガソリンコックを少し下げて着くようにステーを作ってから取り付けました。

サイホンの原理で途中の高さは気にしなくても、ガソリンは落ちると思っていたのですが、こんなことでエンストするんですね。

以降、ガソリンホースの取り回しには気を遣うようにしています。

走行中にエンスト・キャブ内にゴミが何度も詰まる

横型6Vポイント車改・電装だけ12V化にて

症状
走行中にガス欠症状でエンストする。
直近にマフラーやキャブ、セッティング変更をしていない安定期のバイクです。

原因
パワーフィルターの内部「蓋と紙」を接着する接着剤がボロボロになって崩れていた。
粉状になった接着剤カスが、キャブレター内の経路でゼリー化していた。


ツーリング中の出来事でした。
路肩に止めてキャブをばらしたところ、キャブ内にゼリー状の物体が詰まっている。

暫く走るとまた不調。
今度は、スロー系の経路にもゼリーが、ガソリンフィルターやタンクを点検してもゼリーの元は見付からず。

「ダックスだし、パワフィルだしキャブ分解は簡単だけど、しばらく走ればどうせまた」と思い今度は、エアクリを着けずに直エアーで走行していたら、調子が良く無事に帰宅できた。

帰宅して分解したところ
パワーフィルターの内部「蓋と紙」を接着する接着剤がボロボロになってました。
その接着剤カスが、フロート室まで侵入していた。
腰上をばらしてみたら、ポートにも粉やゼリーが…
この接着剤カスはガソリンを吸うとゼリーになるらしい;汗

ちなみにこのパワーフィルターは、有名メーカー製で買って2年目でした。
パワーフィルターを着けてもパワーが上がる訳ではないことは知っていますが、取付けが楽チンなんですよね。

以降、キャブを変更しても、純正のエアクリBOXに繋がるようにコネクティングチューブを加工してつないでいます。
繋がらない車両で やむをえない場合は、接着剤未使用品or網付きファンネルを使っています。

パワフィルを使っているユーザーさんは、たまに中も点検して下さいね。

低回転で失火・エンスト・バックファイヤー

横型エンジンの6Vポイント車にて

症状
低回転で濃い症状が出て、たまにで失火する。
無視して数日乗っていたが、アイドリングが生ガス臭い。
近場に出かけて(エンジンが半暖まり状態)でキックをするとバックファイヤーでキャブから煙が出る時がある。
これはイカン!とスロージェットやパイロットスクリューを調整して薄くするも症状変わらず。

原因
結果から言うとポイント車のエキサイターコイルのワニス?が劣化して、コイル不良になっていましたのでコイル交換で直りました。

キャブ交換→マフラー交換→シリンダーヘッド交換→ポイント調整→ポイント交換→イグニッションコイル交換→いずれも改善せず。

エンジン交換→直りました。
しかしエンジン内での原因が特定できず諦めました。

数年経過して、たまたま別の車両にクランクシャフトを流用したくジェネレーターを外した際に「アレ?変だな」と気付いた次第です。

エキサイターコイル不良でこんな症状が出るんですね。完全に断線してくれれば、もっと早く気付けたのですが、なんか悔しいですね。

以降、電装系をチェックする際には、発電コイルも確認するようにしています。

バックファイヤーとマフラーからも生ガスでアイドリング不安定

横型12Vエンジンにて

症状
バックファイヤーとマフラーからも生ガスでアイドリングも不安定

この不都合が発生した時は、セッティング(ジェッティング)中でメインジェットとスロージェットを色んなパターンで試していました。

セオリーより濃いスロージェットを試した後に、濃かったので1番手薄くしたのですが、その「薄くした時に」症状が出ました。

そのことで「薄さからくる不都合?」と勘違いしてしまい、SJの番手を上げてみたり、ジェットニードルのクリップを下げてみたり、2・3日の間、泥沼のジェッティング作業でした。

原因
プラグでした。
珍しく高価なプラグ(イリジウムプラグ)を新調してジェッティングに挑んでいたのですが、

・濃くした際にかぶった
・薄いセッティングに変更した際に症状発覚(この時、既にプラグはビチョビチョで再起不能)

ノーマルプラグに戻したところ、正常にセッティングが出ました。

ちなみにこのかぶった新品イリジウムプラグ(走行3キロ程度)を掃除とギャップ確認をして他のバイクに取り付けたところ、見事に同じ症状でアイドリング不可でした。

イリジウムプラグはかぶらせると再起不能になる、なんて噂を身をもって経験してしまいました。

やはりイリジウムプラグは、セッティングが完全に出てからの装着がセオリーなんですかね。
この件以降、プラグはノーマルと決めています。

また「決めつけ・思い込み」は良くないと強く感じた次第です。
高価なプラグが不良な訳ない、薄くしたときに出た症状だから「薄い」等、決めつけないで全体を確認すれば、良かったと思います。

アクセルOFFでアフターファイヤー

横型12Vエンジンにて

社外マフラーを新調したのでリセッティング作業中の出来事です。

症状
アクセルOFFでアフターファイヤー
最初は「スロージェットが薄いのかな?」と考え色々と試したのですが、とんでもない番手まで上げても改善せず。
パイロットスクリューの調整でも変化なし。

原因
新品マフラーのエキパイに穴

写真は別マフラーです(このマフラーも新品で穴が^^

色々と再チェクしていたところ、新品マフラーのエキパイ溶接部に小さな穴が開いていました。
マフラーを取り外さないと見えない位置だったので、原因特定に時間を要しました。

この件以降、セッティング中は、二次エアチェックと排気漏れチェックを欠かさずに行うようになりました。

そこそこのメーカーの新品マフラーだから良品と決めつけずに、全体を確認すればもっと早く解決できたと思います。

スロージェットの番手が大きく動く際には、キャブ以外も疑った方が良いかもですね。
例えば、カブを75ccや88ccにしてPC20を着けた場合、スロージェットは#32〜#40前後で収まりますよね?
それが#45とか極端に大きい番手でないと、パイロットスクリューの調整が3/4〜2.5回転戻しで収まらない場合は、他の要素を疑った方が良いかと思います。
今回は、新品マフラーが原因でした。

二次エアーの確認について

二次エアーの症状としては
・回転落ちが遅い
・アイドリング回転数が極端に上がった
・パイロットスクリューが無反応
などが挙げられます。

そしてパワーフィルターやファンネルの場合は、パーツクリーナーによる二次エアーチェックが難しいです。

キャブとインマニ間にパーツクリーナーを吹いてチェックしても、気化した溶剤がパワーフィルターから吸い込んでしまい、アイドリングが変化してしまう。

純正エアクリだったら空気取り入れ口まで距離があるので、パーツクリーナーでのチェックも容易なのですが
パワーフィルターやファンネルで、気化したパーツクリーナーを吸い込ませないようにチェックするのは、ちょっと難しいかなぁと感じています。

無風状態だと、シリンダーヘッドのポート側にパークリを吹いただけでも、気化した溶剤がパワーフィルター側から吸い込まれるので、「あれ?ポート側でリークしている?」と勘違いしてしまうことも。

なおのことエアクリ側に近いキャブとインマニ間を調べる際には、ことさら注意しないと判定が難しいです。

扇風機で風を当てながらチェックするとか or パワーフィルター側に遮蔽版を着けるとか or 石鹸水でチェックするなどの工夫が必要です。

このことが分からずに、漏れてもいないインマニを何度も定盤に乗せて削ってチェックしてのループに陥ったことがあります。

大変だけど面白い

セッティング

・何度も試してベストセッティングが出たからいざ出発!と意気込んでツーリングに出かけたら、標高が高くて濃い症状→退却。

・ジェットを変更してキャブを戻したら、今度は油面が崩れてしまった。どうやらジェット変更時にフロートを障ってしまったらしい→今日は疲れたやめよう。

・メインジェットを変更して車両に取り付けてガソリンを流したらオーバーフローホースから盛大にガソリンが(キャブのドレインボルト締め忘れ)→でもキャブを外さないとキャブのドレインボルトが締められないシャリーとか;汗

こんな不毛な作業を繰り返す訳なんですが、苦労の末にビシッと決まってどの回転域でも谷なくスムーズにエンジンが、ふけ上がるとたまんないんですよね。  
 
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2021年05月27日
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