シャリー:PB16キャブレターに交換

2021年05月15日バイク 整備 ダックス・シャリー

角目シャリーにPB16

暇だったので角目シャリーにPB16を付けてみました。 使ったキャブレターはXR100モタード純正キャブです。

PB16も色んな種類がありますが、XR100モタの純正PB16は、チョークレバーが右側仕様なんで比較的簡単に取付できました。

取付け前に「シャリー pb16」で調べてみたのですが、シャリィ不人気なんですね^^ 情報が少なかったのでダメ元でやってみました。

※カメラの調子が悪くスマホ撮影ですみません。 また加工途中の写真がなく、いきなり取付OK!写真になってしまいました。今度セッティングを変更する際に詳細を撮影予定です。

PB16付きました・キャブカバーもOKです。

途中の写真がなくスミマセン、PB16着きました。 チョークレバーとワイヤーもそのまま利用しています。

左の透明ホース:ガソリン 右の黒ホース:エアベントチューブ

使った部品など

仕様はこんな感じです。

追加部品

・XR100純正PB16キャブレター キタコのマニホールド下インシュレーター 300円ぐらい(キタコでなくてもOK) ・PB16を引けるアクセルワイヤー

純正部品(角目シャリーに最初から付いていた部品)

・純正インマニ ・純正インシュレーター(インマニ側にOリング) ・純正プレートワイヤーステー。チョークとアクセルワイヤーを固定する純正ステーです(16288-GB2-741) ・純正スロットル

純正のインマニを使用

PB16は、PC20と同寸の取付ピッチなので、シャリィやモンキーをはじめ横型50ccシリーズの純正キャブより取付ピッチがワイドです。

一部年式のダックスのインマニは、PB16(PB18・PC18・PC20)と同寸ピッチなのでそのまま流用できたりしますが、シャリーは、皆さんご存知のようにフレームの中がキツキツなので、ダックスの長いインマニを取付けるとフレームからキャブが飛び出ちゃうんですよね(苦笑)…それが良いと言う説もありますが^^

インマニ長穴加工

まずは、純正インマニとインシュレーターを長穴加工です。 ドリルを使わず、ダイソーで買った鉄ノコで横方向から切って「コの時」に加工しました。

純正インマニの外側から固定する形です。 このままの状態だと少し不安定なので、チョークとアクセルワイヤーを固定する純正ステーに47mmピッチで6mmの穴を追加して、純正キャブと同じようにステーでサンドイッチする固定方法で取り付けています。

ステーで挟み込むことでガッチリと固定できました。 がしかし、締めすぎは怖いのでココはトルクレンチできっちりと計測しました。

ステーを加工する際に邪魔だったアクセルワイヤー側のホルダーは、サンダーで落としました。 そのまま残しておいても取付可能ですが、シャリーのキャブ交換はフレームが狭く知恵の輪状態なので少しでもメンテ性を上げたくカットしました。

XR100の純正キャブは、キャブ側からスタッドボルトが生えていますが、整備性が悪かったので、PC20同様の「普通のボルトと四角ナットに換装」しました。

たぶん武川や中華PB16なんかも「普通のボルトと四角ナット」仕様だったと思います。

四角ナットを買う際は、ホンダ純正番号:16041GBJ680だとインシュレーター側に利用できるOリングがセットされているのでオトクです。セットで300円ぐらいだったと思います。

問題はチョーク関係です。

レバーを戻した状態

写真が不鮮明ですみまん、PCでご覧の方はクリックで拡大できますので大きな写真を見て下さい。

レバーを中間まで引いた状態

シャリーのフレームにはチョークワイヤーの逃げ加工があって この範囲でチョークレバー(ワイヤー)を動かす必要がありますが、ピッタリ収まりました。 で、この対策の前にチョークレバー移植とドレンホースの説明をします。

XR100のPB16は、 ・右チョーク・レバー式 ・ガソリン供給口:左側 ・オーバーフローホース(ドレイン)まっすぐタイプ

ガソリン供給口は、左側下部にあるので、干渉もなく無加工で付きます。 供給口の位置も低いのでガソリンの落ちも問題ナシ!

オーバーフローホース(ドレイン)が、まっすぐタイプなので、モンキーに首振りじゃないインマニとPC20を付けた時にシリンダーのフィンとドレインが干渉する問題と同じで、干渉します。

フィンを削るかorドレンを削るかなのですが、面倒なのでドレインのニップルを5mm程度ヤスリで削り短くしました。 5mm程度ならホースの接続も問題ないので、キャブ取付け時にはオーバーフローホースも接続しました。 オーバーフローした際に、シリンダーがびちょびちょは嫌なので;汗

そして一番の問題は、チョークをレバー式からワイヤー式に変更できるか?なのですが あっけなくできました。

シャリー純正の半負圧キャブからチョーク関連の部品をごっそりと取り除き、XR100のPB16と交換です。

加工点しては、 ワイヤー式に換装した際のチョークの動きが今一つでしたので、シム代わりにレバーを固定するネジ部分に1枚ワッシャーを入れたら滑らかに動くようになりました。

そしてもう1点、移植する際に、チョーク関連の黒いプラスチックの蓋を開けるのですが、中に入っている「チョークバタフライの軸棒」のバネ側のカシメを2mm程度短くする必要があります。

写真がなくすみません、難しい加工ではなく、ニッパー等でカットするだけなんですが、言葉だと難しいですよね。

ココを少しカットしないとバタフライが、スムーズに動かないんですよ。 それ以外は、レバー固定ボルトも、レバー固定ステーも同寸でボルトオンです。 大加工や、部品作りを覚悟していたのですが、チョークレバーの移植があっけなく10分で終わっちゃって拍子抜けしました。

エンジンに取付

予めインマニとPB16を組んでおき(念のため液ガスも塗って)車体に組み込みます。

PB16のフロートチャンバー下部とクランクケースが干渉して付きませんでした。 あと数ミリ…厚めのガスケットを入れれば大丈夫そう…と悩んでいたところ 部品箱にGクラのヘッド側アルミスペーサー・6mm厚がありましたので挟んでみたところ、あっけなく解決しました。

この状態で ・フロートチャンバー:干渉無し ・オーバーフローホース:シリンダーに少しタッチするけどドレインを開けてみたらきちんとガソリンが流れました。

う〜ん、全体的にあっけなくPB16への換装が完了しました。

見ずらい写真でスミマセン。 ヘッド側にスペーサーを入れ6mm持ち上げた際の写真です。

クランクケースとのクリアランスは余裕ありますね。オーバーフローホースは、少し潰れていますが排出は問題なし。

それにしてもシャリーは狭くて大変だ〜。

この状態で軽くセッティングをしてからいつもの裏山を試走、こちらも良い意味で想定外な、ド安定。 暇だったので2時間ぐらい走ってきました。 走行は特に問題ナシ、だがキャブボディが熱い、フロートチャンバーも触れない程ではないが温度が高い。

元々シャリーの純正キャブは、インマニが短いのでレスポンスは良いけど、シリンダーにギリギリの位置でマウントしているのでキャブが熱も持つ傾向があります。

パーコレーションするほどの温度ではないけど、気になったのでアダプターを断熱効果のある樹脂製のインシュレーターへ交換してみました。

使ったインシュレーターは、キタコの9mm厚のインシュレーターです(300円ぐらい)

キタコでなくてもミニモトでも、ポッシュ(POSH)でもヘッド側に付ける6mm以上厚さがある物ならOK!

で、6mm厚アダプターから、9mm厚の樹脂製インシュレーターに変更したところ、取付けはOK!キャブカバーも閉まる。 しかしチョークレバーが引けませんでした。 上の写真にあるフレームの逃げ加工の範囲より3mm高くなってしまい、ワイヤーを引く丸い部品がフレームに干渉してしまいました。

う〜ん、シャリーめんどくさい^^

PB16を純正インマニを加工して取り付けて、純正チョークレバーを利用する際には、ポート側に6mm厚のアダプターがちょうど良い、ことが分かりましたので、ポート側のインシュレーターを6mm厚になるまで削りました。

最初は包丁磨ぎ用の石でざっくり削って、最後は適当にオイルストーンで整える。

再びキャブをセット。

今度は反対側(フライホイール側)から撮影 ドレンスクリューへのアクセスも良好です。 黒いホース=オーバーフロー用のホースです。

アクセルワイヤーステーのホルダ部分(ツノになっている部分)をカットしたので知恵の輪状態も解消され、簡単にキャブの脱着ができるようになりました。

関係ないのですが、ベークライトって削ると「緑色の粉」が出るんですね、黒いから黒い粉がでるのかな?と思っていたので少しびっくり。 そして、これ「臭い」ですね、削粉がイカ臭い、最初は分からず俺が臭いんかと思いました^^

エンジンが熱アツになるまで試走してみた

油温が安定するまで裏山を試走してきました。

インマニ温度:ほどほどに熱い キャブボディー:少し暖かい フロートチャンバー:気化熱でひんやり

パーコレーションせずに、キャブ冷えすぎも防げる、適当な温度かと。 冷えすぎても張り付く危険があるし、真冬のことも考えるとこんなもんかな。

シャリーの場合、フレームの中にキャブレターをレイアウトしてるので、どうしても温度が上がっちゃうと思うんですよね。 そういう意味では、カブの前向きキャブは、整備性も含めて良く考えられているんだぁーと感心しちゃいます。

キャブカバーを戻して完了

最初は、盛り上がったキャブカバー(いわゆるBタイプ)が別途必要かなぁと想定していたのですが、無理なく純正カバーを取付できました。

好みの問題もありますが、山田としては、キャブカバーはシャリーのチャームポイントと思ってるので、カバーが付いて良かったです。 (カバーが付かなかったらPB16は、外す予定でした)

気になるCF50+PB16の性能ですが、 高回転・加速:純正キャブの1.1倍ぐらい? 中間のつき、中低速の安定感:1.5倍ぐらい です。

このシャリー(12VのCF50P)は、キタコ75ccにキタコハイカム、純正の半負圧キャブにカラーをかまして強制開閉化(300円チューン)の仕様です。 ギア比は、3速10000回転で78キロのセッティングです。

強制開閉化後の純正キャブでも平地で3速10300回転ぐらいまで回りましたので、十分に満足していました。 PB16に換装後は、10000回転オーバーまでに要する時間を短縮できるようになりましたが「少し速くなった」程度です。

PB16に交換して嬉しかった部分は、中低速の部分ですかね。 ハイカム入れていると、ノーマルカムに比べて中低速がしっくりいかないことも多いので、このシャリーもハイカム入れた時に「中間はある程度妥協」と言う感じで見てみないふりをしていたのですが、PB16にしたら、その辺が改善されました。

具体的には、青信号の大きな交差点で、対向車無し、ゆっくり右折する際に「ギアを2速に落とすのめんどくせー」と3速でコーナーに入ると純正キャブだと出口でもたつく PB16化後は、同じように3速でコーナーに入っても適当なスロットルワークでも再加速してくれる。

こう言った部分は、ギア比のセッティングで詰める部分かと、思っていたのですが、キャブ換装による中低速トルク変化でもカバーできるんですね。

今までは「ビッグキャブ最高!」のような思考でバイクと付き合ってきたので、勉強になりました。

もともと手持ちとしてPB16(ほぼ新品)を持っていたのと、純正負圧キャブのニードルジェット(廃盤)がガタガタに摩耗してしまい、発進時のモモンガ現象を他の要素で隠せなかったので、まだインナーパーツが購入できる、PB16化でリフレッシュしてみた次第です。

どちらも古いキャブですが、昨今のカブブームのおかげでPB16のインナーパーツは、入手性が良いです。

この仕様で2ヵ月乗ってみての感想ですが 「慣れてしまうとノーマルキャブの300円チューンと大差なし・良く言うとド安定」です。

ただ純正の半負圧キャブは、スロッルバルブ(ダイヤフラム)・ジェットニードル・ニードルジェットともに、令和3年3月現在、注文を入れても「廃盤」の回答でした。 ジェットニードルセットは、昔のカブや、スペーシーのが使えそうな予感もするのですが、この変な負圧キャブに燃費以外のメリットがあるとも思えないし、重いしデカいし、綺麗にしても臭いし^^ 部品の出る他キャブに変えた方が良いかも…と言うことで作業してみました。

運よくショートパーツも手持ちが使えたし、アクセルワイヤーも、以前にダックス用に購入したPC20を引けるワイヤーが余ってたので、インナーを少しだけカットして使えました。

PB16を新規に購入する場合は、中華キャブの選択肢もあると思うけど、セッティングにハマった時に「キャブその物が不良品でした」は、嫌なので吟味して選択して下さい。

武川のだと品質は良さそうだけど、フロートチャンバーにコックが着いてたんじゃないかな? 他キャブとフロートチャンバーを換装すれば使えそうだけど、PB16の為にそこまでしたくないですよね。

XRモタと同じ系統のエイプ100が、右燃料ホース・ドレインはL字だったと思いますので、こっちも工夫次第で使えそうですね。

フィッティングや整備性について

大切な事を書くのを忘れました。 シャリー+PB16を検討している方は、気になる部分ですよね。

■アイドリングスクリュー、パイロットスクリューの調整 キャブを設置した状態でも両スクリューの調整が可能です。 アイドリングスクリューは、このようなオフセットドライバー若しくは、先を曲げたスプーンで。

パイロットスクリューは普通にドライバーが届きます。 但しFI化直前世代のホンダ原チャリキャブ車のPSは、通常ドライバーでは調整できないように封印されていますので、D型パイロットスクリュードライバー ホンダ用が必要になります。 山田の場合は、面倒なので鉄ノコでPSの頭にマイナスの溝を掘って普通のマイナスドライバーで調整しています。

何れにせよ、整備性はさほど悪くありません(シャリー+PC20に比べたら天国です)

■純正エアクリのコネクティングチューブ 純正キャブもPB16もエアクリ側の径は同寸なので(約35パイ)ポン付けできます。 インマニにゲタを履かせている高さの違いで キャブとチューブ間で数mm差がでますが、問題なく届きました。純正エアクリ使えました。

■アクセル・スロットルについて 純正のスロットル、コーンをそのまま利用しています。 PB16にしても、そんなにロースロにならなかったので、山田の場合はそのまま使っています。 PB16化のメリットとして、純正の半負圧キャブって、ワイヤーに注油してもアクセル重いですよね、そもそも純正キャブの戻りバネが、250ccクラスのバネ並みに固いんですよ、コレも低燃費を意図した戦略なのかと^^ それがメッチャ軽くなります、慣れるまで開けすぎ注意です。

■ワイヤーについて チョークワイヤーは、そのまま利用できます。 アクセルワイヤーは、タイコの形状が違うのでPB16対応品に変更が必要です。 山田の場合は、大昔にダックス用に購入したPC20対応のワイヤーがあったので、インナーを数ミリ詰めて使ってます。 今のアフターパーツのワイヤーだったら調整シロが大きいのでPC20用でインナーの調整ができるタイプなら利用できると思います。

■ジェット類について メインジェットは、ケイヒンの丸小(PC20と同じ) スロージェットは、XR100(エイプ100)が#38、だったと思います。 小さくしたい際には、同50cc用の#35が使えます(ホンダ純正番号:99103GCV0350)

セッティングの際には、ケイヒン製の純正ジェットが無難です。 ケイヒン製の純正ジェットには、京浜マーク(★みたいな記号)が刻印されています。 大きいバイク用品店があれば、バラ売りしていると思います。 なければ、キタコ製が安心の京浜マークなので、こちらを メインジェット:京浜マークの刻印あり スロージェット:京浜マークの刻印あり

山田の場合は、 MJ72 SJ35 ND真ん中 PS1回転戻し キタコ75cc ノーマルヘッド+キタコハイカム Fスプロケ17丁  リアスプロケ37丁 マフラー カブ純正風マフラー(静かで抜け悪い) プラグ#6でやや白い #7でキツネ色 です。 燃費40〜45キロぐらいです。

■整備性が良くなりました。 純正キャブ→頭でっかちでフレームに傷を付けないで脱着する為には、知恵の輪のようなコツが必要 PB16→頭が小さいの簡単に着脱できる。

純正キャブのAワイヤーを外す工程は キャブトップのネジを2本緩める(ぼよーんと中身が飛び出してきてウザっ)、トップを浮かせてから、Aワイヤーに遊びを作ってホルダーのWナットを緩める。

PB16の場合は、キャブトップを手で回すだけでスロットルバルブごとAワイヤーを外せるので工具要らずで楽チンになりました。

と言うか、シャリーは整備性悪すぎですよね。

結果論になりますが、今回のキャブレター換装で、整備性が大幅に向上しました。

・純正キャブのジェット交換→20分ぐらい ・PB16換装後のジェット交換→10分ぐらい

そこを狙った訳ではないのですが、嬉しい誤算です。

次に機会があればKSR110や昔のハンターカブのPB18を流用したいと企てています。

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■この記事について   シャリー:PB16キャブレターに交換 https://ezhp.jp/diy/1621067610.html

2021年05月15日

バイク 整備 ダックス・シャリー

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